耐久性が高く燃えにくい白い壁
住宅の壁に使用されることがあるしっくいは、水酸化カルシウム、石灰が素材です。職人の手作業で壁に塗り、一度固まったら長い間状態を維持することができます。日光に晒されても劣化しにくく、火が付きにくいのが大きな特徴です。基本的には白い色をしていますが、技術力の高い職人であれば、色を付けることが可能です。
また、壁に塗る際の技術によって、表情が大きく変わるのも特徴です。万遍なくならしてシンプルな見た目にするだけでなく、波打ったような模様を付けたり、あえて乱雑なデザインに仕上げたりすることも可能です。そのような表情付けによって、幅広い住宅のデザインに合わせられます。日本古来から伝わる素材なので、和風にしか合わないというイメージを持たれがちですが、洋風の住宅にも合わせられます。
内壁に使用した場合のメリットが多い
しっくいは住宅の外壁と内壁のどちらにも使用することができます。そして、化学物質を混ぜることなく内壁として使用可能なので、化学物質が原因のシックハウス症候群になりません。また、静電気を溜め込まないため、ホコリを吸着しにくいという特徴もあります。さらに、汚れにも強く、簡単な汚れであれば消しゴムで取り除けます。それで消せない汚れでも、その部分だけ上から新しくしっくいを塗ることで、きれいな状態にできます。壁紙を全部張替えるような作業は必要ありません。
そして、しっくいには小さな穴が開いていて、空気を通すことができます。そのため、土台に調湿効果を持つ素材を使用している場合、その調湿効果を阻害しにくいです。ただ、しっくいそのものは、厚塗りをしない限り調湿効果はありません。内壁素材としてしっくいを使用さえすれば、調湿効果が出ると誤解されることが多いですが、それは誤りです。