室内環境を良好に保つ効果がある一方で手間がかかる
塗り壁は下地の上に土などを何度も重ねて塗り、形を整えた壁です。古くは土壁とも呼ばれていた通り、建材用に加工された土を何度も塗って厚みを持たせ、壁としての用途を持たせます。室内用の塗り壁も土をベースにした材料を下地に塗って形を整えますが、湿気を調整する働きがある他、化学物質を含んでいないことからアレルギー体質の人でも快適に過ごせる空間作りに役立ちます。土が持つ温もりを感じさせる質感も好まれる要因の一つですが、塗り壁を綺麗に作るためには熟練の技術が不可欠です。優れた腕を持つ職人が何度も重ね塗りを行って初めて滑らかな質感のある塗り壁になります。土が乾燥するのを待ってから新たに土を塗る必要があるので時間がかかってしまう欠点もあります。
一般的な住宅のリビングを例にした場合、ビニルクロスなら一日程度で作業が完了しますが、塗り壁は数週間以上を要することも珍しくありません。
費用が嵩むうえに地味な外観になる
ビニルクロスは壁に貼るだけで綺麗な仕上がりになるので手間がかからない他、安価で購入できるうえに様々な絵柄を選択できるメリットがあります。一方で塗り壁の場合はベテランの職人が何日もかけて形を作る必要があることから非常に手間がかかります。また、手間がかかる分だけ費用も嵩むことから、塗り壁を作る際は資金に余裕を持たせることを忘れてはいけません。化学物質を含まない塗り壁は住まいの空間をより安全なものに保てると言えますが、土を用いた壁面は華やかな雰囲気を持たない、地味な外観になるのも事実です。ビニルクロスは多種多様なデザインが印刷されているので好みに応じて貼り替えることができますが、土を塗って形を整えた塗り壁ではそのようなことはできません。